米国サンディエゴ州立大学が実施した、『青少年の脳と認知機能発達』に関する調査によると、9から10歳の子供のうち、1%はすでにゲイやトランスジェンダーと自覚していることが判明しました。
子供達の中には、かなり早い段階でトランスジェンダーであると自覚する子がいるという事実については、多くの専門家が認めるところでありましたが、それでも従来は10代前半から半ばにかけて分かり始めると考えられていました。
ところが、今回の調査では従来考えらていたよりも早期に、子供達はゲイやトランスジェンダーと自覚し始めているという結果に。
ちょうど先月、米国コロラド州デンバーにおいて、9歳の子供が学校のクラスメートにゲイであることをカミングアウトしたことでイジメに合い、自殺するという事件があり、タイムリーな研究結果と言えます。
この調査は米国4500人の児童を対象に、「あなたはゲイまたはバイセクシャルですか?」と質問するというもの。
明確に「Yes」と答えたのが0.2%で、「Maybe」が0.7%と回答。著者はこれを「性的指向の可能性」としています。なお4分の1の児童は質問の意味を理解できず、その他の児童はゲイ、バイセクシャルではないと回答。
一方、その親の反応はまた違ったものでした。たった1人の親が、「自分の子供はゲイまたはバイセクシャルである」と回答、7%は「Maybe」としています。またおよそ1%が質問の回答を拒否していますが、残りの親は「ゲイ、バイセクシャルではない」と回答しています。
研究の共同著者であるアーロン・ブラシルは説明します。
「9歳から10歳という年齢は、生物学的にも社会学的にも重要な年齢だ。友人やメディア、両親を通じて、多くの情報にさらされ始める。もちろんセックスについても。」
「性的な意味合いではないかもしれないが、強い感情を覚え始める年齢だ。1%という数字は、児童の年齢を考えると、それなりの規模だ。」
「長い間、社会科学者は10歳前の児童は自身の性認識に関して未発達であり、性的指向を調査するのは意味がないと考えてきた。今回の調査は児童に対して性的指向を調査した初めての調査結果であり、セクシャリティがどのように発達するのか、また時間の経過とともにどのように変化するのかを理解する基礎となるだろう。」
若いLGBTは、偏見や差別に起因するメンタルヘルスの問題を抱えるリスクが大きいと指摘します。ところが、今回の調査でゲイ、トランスジェンダーと認めていた児童は、学校や家でまったく問題ないと考えているという結果に。これは、周囲の環境が児童に好意的であるために、早い段階でゲイ・トランスジェンダーと素直に自認できることにも繋がっているのかもしれません。
さていかがでしょう。
アメリカでは、子供向けのディズニーチャンネルにLGBTキャラクターが登場しない!現実世界を反映しておらずけしからん!みたいなニュースがたまに出てきますが、それでもLGBTに触れる機会は多いはず。児童も、早い段階から世の中にはLGBTという性的指向があるという事実に触れるのでしょう。
若い青少年の性的指向は流動的ではないでしょうか。やたら男の子同士でベタベタしていたやつが、長じてヒドい女好きになるケースなど多々あります。若いうちはただの同性に対する憧れなのか、性的な興味なのかもまだ判別がつきにくいのではないでしょうか。
そういう意味で、9、10歳に対する性的指向の調査はあまり意味がない気もしますが、早めに自分の性的指向がわかるのであれば、その後の人生も計画しやすいかもですね。そういう意味で、さらなる調査が期待されます。
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