ゲイをカミングアウトされた親はどうするべき?ゲイの青少年と親の間の「性に関する会話」に関する研究結果。(米国)

突然息子からゲイであることをカミングアウトされたノンケ親が、その後に、性に関するアドバイスや教育をどのように伝えていくか悩むということについては想像に難しくありません。

今回の研究は、この問題に一つの示唆を与えるものではないでしょうか。

ペンシルバニア大学看護学部は、ゲイ少年とノンケ親との間における「性に関する会話」についての調査を実施しました。

研究チームは、GBQ(ゲイ、バイセクシャル、および性の対象がわからないクエッショニング)の15~20歳の青少年に対して、両親との性に関する会話はどのように行われているか、両親はどう対処していると考えるか、そして自身の性生活にどのように影響しているかについてインタビューを実施しました。

その結果、まずこの年代では両親との間で性に関する会話はほとんど交わされないという結果に。

そして、たまに会話が為されれば、息子がGBQであることをカミングアウトしていなければ、もちろん異性愛を前提とした会話になるということでした。

一方、カミングアウトしている場合は、STDs(性感染症)に関するステレオタイプなアドバイスが伝えられるのみという結果に。ゲイの青少年が危険な性行為におよぶ原因は、性に関する教育が十分になされていないこともあるのでは、と結論づけます。

研究を主導したDalmacio Flores博士は説明します。

「今回の調査結果のような情報が集まるにつれ、家族とヘルスケア担当者はLGBTQの青少年に対しても性に関する有効なこむユニケーションを行うことの手助けになる。

LGBTQの子供に協力的な両親は、家を出て行った後のLGBTQの子供たちが危険な性行為を行うリスクを最小化することができるだろう。」

さて、いかがでしょうか。

日本では、家族にカミングアウトをするのはなおさらハードルが高く、またカミングアウトされても親が適切なアドバイスをすることを期待するのは難しそうです。

(LGBTQに関する性行為に関するアドバイスを期待する前に、まずは、LGBTQに対する理解を深めてもらい、カミングアウトされた時に暖かく迎え入れてあげるように啓蒙するのが先ですね。)

となると、やはりLGBTQ青少年の安全な性活動に関する情報提供は社会や学校が担わなければいけません。ネットで簡単に情報が取れる現代であれば、ネット上に正確で十分な情報が、青少年の目に届くところに提供されることが必要なのではないでしょうか。

The Instinct

Journal of adolescent research

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です