Googleの親会社であるAlphabet(アルファベット)社は、LGBT啓蒙団体のGLAADと協力して、よりLGBTフレンドリーなAIを導入していくことを発表しました。
既存のAIが、特定分野に対して偏見を持ってしまっていることに対して、是正する努力をしていくことを宣言したものです。
現状のテクノロジーにおいて、AIの成長は『機械学習』と呼ばれるデータ処理を通じて行われます。この機械学習とは、いわば世の中に存在する大量のデータをシステムに投入していって知能を向上させていく手法です。
ところが、世の中に存在するLGBT関連のデータは、同性愛嫌悪のものが多く、これを自動的に取り込んでいくと、同性愛嫌悪(ホモフォビック)なAIが生まれてしまいます。
そこで、GLAADはGoogleの一部門であり、悪意あるコンテンツに対処するシステムを開発する『ジグソウ』社と提携しアルゴリズムを改善、データがLGBTに対する嫌悪的なものか、単にLGBTを表現するものかを選別し、AIに学習させています。
従来よりGoogleは、LGBTQに関するコンテンツに対して必要以上に制限していると批判されています。例えばGoogle傘下にあるユーチューブは、LGBTQに対する教育的コンテンツに年齢制限が課し、LGBTQ青少年が自らが抱える問題に対する情報を遮断していると批判されたりしています。
今回のこのジグソー社の手法は、LGBTに関するデータを制限することなく、適切な情報のみ取捨選択しAIに学習させることができるとのこと。
「AIは潜在的に驚くほどの利益をもたらす可能性がある一方で、社会の分断を広げ、LGBTQコミュニティのようなマイノリティにさらなる危害をもたらす恐れがある。それゆえ、私たちがGoogleのような重要な組織と協力し、全ての人が受け入れられる世の中をもたらすようなAIを構築していくことが重要なのだ。」
GLAADのチーフ・デジタル・オフィサーであるジム・ハロランは説明します。
さて、いかがでしょうか。
人間は、ある対象に対して一度嫌悪的な思想を持ってしまうと、その偏見を取り除くのはかなり難しいもの。寛容で知的なAIが世の中に広く行き渡り、人間の偏屈な考え方を変えてくれる、そんな世の中が到来すると素晴らしいですね。
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