昆虫も同性間で交尾することはよく知られています。ただし、今回発表された研究結果は少し拍子抜けするもの?
イギリスのイースト・アングリア大学の実験によると、メスが大半を占める集団で飼育されたオスの昆虫は、オスと交尾する確率が高い結果になりました。調査の結果、これは単にオスとメスの区別がつかないことが理由である可能性が高いと指摘しています。
つまり、昆虫が同性間セックスに及ぶのは、一般的に言われているオスの性的指向やオスどうしの権力闘争、進化論的な動機などではなく、単に「勘違いをした」ことによるものであると、調査を主導した研究者は考えます。
この実験では、コクヌストモドキをオス多数の集団、メス多数の集団など、80−100匹程度の集団に分けて飼育しました。
(source: wikipedia「コクヌストモドキ」)
その後、オスは集団から引き離され、メスまたはオスのどちらと交尾に及ぶか観察。オス多数集団出身のオスはメスと交尾する傾向が強い一方、メス多数集団出身のオスはランダムに交尾相手を選んでおり、同性であるオスと行為に及ぶ確率が高いという結果になりました。
実験を行なったクリス・セールス博士は説明します。
オス多数の集団のオスはメスを探し出し、効率よく交尾している。メス多数の集団のオスはランダムに交尾相手を選び出して、メスと交尾できた場合に子孫を残している。この集団のオスはまるでオスとメスを区別する能力を失っているかのように振舞っている。
ただし、博士によると、「この発見は、昆虫の世界における興味深いパラドクスだが、人類や哺乳動物における性的行為について明らかにするものではない。」とのこと。
今回の結果は、鳥類や哺乳類など、より複雑な認知能力や社会構造を有する動物の性的行動に一般化できるものではない。このような高度な動物は他の理由により同性愛行為に及ぶと考えられる。
100種類以上の昆虫が同性間で交尾を行い、種によっては異性間よりも頻繁に行っている昆虫もあるとのこと。
哺乳動物の間でも同性間の性行為は当たり前のように存在しますし、生物界にとって自然な行為といえますね。
地上で最も長生きの動物と考えられているカメのジョナサン、実はゲイだった。
私の感覚的には、男子校出身者の方がゲイが多い気がしますし、人間が、女性と男性間違えてセックスするなんてことはほぼなさそうですので、今回のケースは昆虫のような比較的単純な生物に限られそう。
ただし、生物の世界も、まだまだわからないことだらけ。奥深いですね。
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