なぜ、ゲイはゲイとして生まれてきたのでしょうか?その理由がついにわかった?
ノースショア大学(NorrhShosre University) とマイアミ大学 (University of Miami)の研究者が、同性愛と遺伝の関係について調査結果を発表。
両大学の研究者が、今回のテーマで研究をしたきっかけは、従来の「性的指向と遺伝の関係」に関する研究が、浅薄で、単純すぎると感じていたから。
今回、研究チームは、1,109人のゲイ男性と1,231人のストレート男性(主に白人、ヨーロッパ人)のDNAを分析しました。対象者のゲイ及びストレートの区分については、彼らが自分自身の性指向をどのように考えているか、また『キンゼイ指標』(*1)のスコアをいくつと考えているかで分類しています。
(*1)人間の異性愛と同性愛の指向の程度を示す7段階のの指標。(0が完全な異性愛者、6が完全な同性愛者。アメリカの性化学者アルフレッド・キンゼイにより1948年に公表された。
研究に当たって、遺伝子上の異常値は除き、有意な異伝子のみを分析。その結果、第13染色体と第14染色体において、一塩基多型(SNP領域)(*2)が含まれる領域が認められました。
(*2)特定の生物集団の中で、ゲノム塩基配列の中に一塩基が変異した多様性が、集団内で1%以上の頻度で見られる場合に一塩基多型と呼ぶ。1%以下の場合は突然変異と呼ばれる。つまり大多数とは異なるが、一般的に観察されることが期待される短い変異のこと。
第13染色体で最も優位性が認められたSNP領域は、SLITRK6遺伝子とSLITRK5の間にあり、この領域は神経の成長や生存、神経細胞の形成に関連するもの。
報告書では以下の通り説明しています。
SLITRK族のような遺伝子族は神経の発達に重要であり、神経精神上の様々な特徴の元になる。また、性的指向などの行動表現型(behavioural phenotypes)と潜在的な関係があるだろう。
一方で、第14染色体で最も優位性が認められた領域は、甲状刺激ホルモン受容体であり、名前が示す通り、この遺伝子は甲状腺に関連するホルモン及び細胞に影響を与えるものの、脳の海馬など、身体の他の部位にも関連しているとのことです。
研究者は、今回SNP領域が認められたことで、男性における甲状腺の機能と性的指向に関連があるのではと推測します。
一方、今回の研究には問題点も。というのは、まずサンプルサイズが小さすぎること。また、ヨーロッパ系の男性しか対象としておらず、男性の性的指向に遺伝子がどのように関わっているかというような複雑な問題には、限定的な結果しかもたらさないだろうと認めています。
そのため、今後はさらに多くのサンプルデータをもとにさらなる研究が必要となります。
さて、いかがでしょうか。
どうやら性的指向と遺伝子は関係していそうですが、まだまだ研究は道半ばというところでしょうか。個人的には、自分がゲイとして振り返ると、絶対に後天的なものではなく、生まれながらに遺伝的にゲイだったとしか思えません。
きちっと科学的に証明され、男と女の異性愛関係のみで成り立つ世の中から、多様性を尊重したものに変えていくきっかけになるといいですね。
参考: Instinct
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