今日、会社員の多くが国外で仕事をするようになっており、海外に従業員を送り出す会社はますますLGBTI従業員をサポートする責任を負っています。
企業のグローバル展開を支援するコンサル会社であるBGRSによれば、ロシア、ナイジェリア、サウジアラビア及びインドネシアなどは、駐在員にとって過酷な国の代表です。また駐在先としてメジャーである、ブラジル、インド、中国、メキシコ、トルコなどもホモセクシャルに対して寛容とは言えません。
多国籍企業における海外での仕事は、2000年度から比べると25%増加しており、2020年までには50%にも届きそうな勢いで増加しています。
LGBTIの駐在員とその家族が海外で働く割合も統計的に少ないとはいえません。全世界でLGBTIの人口は成人の10分の1~20分の1であり、出生国以外の国で働く人は2億人と見積もられています。
LGBTIの従業員が海外で働く場合は、ストレートの人よりも困難に直面します。例えば就労ビザについて、同性のパートナーに対してビザを認めない国はまだまだ一般的。
日常面については、他のLGBTI家族と知り合うのは難しく、環境に馴染めないかもしれません。キャリアの面でも、職場の環境が合わないことやキャリアアップの機会をうまく掴めないなど、不利になることが考えられます。
そのような点から、LGBTI従業員の海外での業務について、現地での差別やサポート不足の恐れから、辞退する傾向があります。
結局、多国籍企業には2つの選択誌しか残されていません。1つは、LGBTI従業員が直面する困難に目をつぶり、海外での業務が失敗するリスクやコストを引き受けること、もう一方は、LGBTI従業員が困難を克服し、業務に集中できるようにサポートすることです。
米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校でLGBTの法律問題を研究するWilliam Instituteの調査によると、多国籍企業の中には、LGBTIの従業員の海外業務のために特別に社内規定を設けているところもあり、このような企業では従業員のモラルの向上や生産性の改善が見られたとのこと。
例えば、LGBTIのキャリアマップに従い、彼らの人生の目標にフィットするような仕事を提示すること。LGBTIが自身の性的志向を表に出そうが隠そうが、海外での業務に影響を与えます。海外勤務の間は企業は、負担が減るように追加的に支援し、途中で帰国することも認めるべきです。このように、海外で事業を展開する多国籍企業はLGBTIが仕事に専念できるようにサポートする義務があります。
さて、いかがでしょうか。
私も海外で働いた経験がありますが、やはり国によってはカミングアウトは難しいです。隠し事をしていては、なかなか現地のひとから信頼を得ることが難しいのもまた事実。恋愛の話などは人類共通なので、比較的入っていきやすい話題ですが、日本でもカミングアウトしていないのに、外国ではなおさらできません。
やはり、海外駐在を希望するLGBTIは、会社にきちんと伝え、LGBTフレンドリーな国に派遣してもらうのが、本人、会社及び現地コミュニティにとって幸せでしょう。
そのためにも、やはり日本の企業文化においてますますカミングアウトできるものになる必要があると思います。
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