マレーシア半島北部のクランタン州副首相であるムハマド・アマール(Mohd Amar Nik Abdullah)は、「マレーシアにおけるLGBTIの広がりは政府や社会にとって問題である」と発言しました。
これは今年41歳のマレーシア人男性が11歳のタイの少女と結婚したことを受けてのもの。カップルは先月入籍しましたが、訴訟が起こり警察が調査に乗り出す騒動へと。
ところが、ムハマド州副首相は、「これは問題視しすぎるほどのことではない」と発言。
「児童婚はイスラム教の教義に照らして、間違っているものではない。騒ぎ立てるほどでも、国の問題とすべきでもない。個別のケースだ。」
「誰もが11歳の子供と結婚する訳ではないだろう。一方、LGBTの問題、つまり違法なセックスと婚外の子供は至る所で広がっている現象だ。これこそが、政府及び社会が取り上げるべき問題だろう。」
マレーシアでは、宗教裁判所の許可があれば16歳以下の子供との婚姻が認められます。一方、ホモセクシャルやトランスジェンダーは違法。
今年5月には、TVや映画でLGBTをポジティブに描くことを禁止し、LGBTIに関する健康や観光に関するウェブサイトへのアクセスを禁止しています。
マレーシア北部のクアンタン州は、特にイスラム教に厳格なことで知られています。婚前の若い男女が人目につかないところで2人きりでいるだけで罰金が課せられるというケースもあり、到底LGBTは受け入れられないのでしょう。
児童婚は子供の意思外のところで、大人の事情によって決められてしまうものであり非人道的である一方、同性愛関係は両人の合意のもとなされる自由恋愛の一つのかたち。比較の対象にすらなりません。
しかし、宗教にはそれぞれ『正義』があり、それを外部から批判しても聞く耳を持たないもの。人口3,000万人のマレーシアにももちろん多くのLGBTが生活しています。マレーシアがイスラム教を厳格に取り入れるようになり、彼らの生活を脅かすことのないよう祈るばかりです。
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