レズビアン、ゲイ及びバイセクシャルの若者は、鬱で塞ぎ込みがちなリスクが高いという調査結果。(欧米)

オープン大学(The Open University)のメンタルヘルス科のMathijs博士がLGBの若者の鬱傾向のリスクに関する論文を執筆しました。

年配者の疾患リスクについての調査結果(リンク)と同様、LGBの若者もストレートの人に比べ、健康上のリスクがあるという結果になっています。

今回の調査は、アメリカ、イギリス、ニュージーランドなど8カ国の若者165,000人超のサンプルに対するメタ分析(*)の結果に基づくもの。

(*)メタ分析:複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のこと。(wikipediaより)

今まで主に実施されてきた同じ趣旨の調査は、情報を収集しやすいLGBTコミュニティイベントやオンライン上のリソースを基礎としていたため、特定の人口統計グループに偏ってしまう傾向にありましたが、今回の調査はその問題を緩和できているとのこと。

その結果、従来では分析できなかった細かい違いにも焦点を当てています。

例えば、女性のセクシャルマイノリティは男性のセクシャルマイノリティよりも鬱傾向が強いことがわかり、レズビアンやバイセクシャルの女性に対してよりメンタルヘルスのサポートが必要であると提案しています。

また、LGBの若者とQ(クエッショニングの略で、自己のセクシャリティがわからない人をさす。こちら参照→リンク)を比べた場合、鬱のリスクに関する違いはあまり大きくなく、Qの人もLGB同様に鬱のリスクはあるものの、だからと言ってLGB以上のサポートは必要ではないことを示唆していると指摘しています。

Mathijs博士はインタビューで次のようにコメントしています。

調査の結果、私たちはLGBの若者がストレートの若者に比べ鬱傾向になりがちであることがわかった。特にレズビアンとバイセクシャルの女性に顕著だ。

有害なオンラインやソーシャルの環境は、不幸なことに若いLGBにとってもありふれた場所であるが、彼らはそこから常に逃げ出すことができるわけではない。私たちは彼らが直面している、精神衛生上ネガティブなインパクトをもたらす厳しい環境を理解する必要があり、LGBの若者が元気に育つ場所を創っていかなければならない。

ただでさえ多感な10代、自分が他の人とは違うセクシャリティだと気づいてしまうと色々悩ましい時期です。まずは社会がLGBTに寛容になること、さらにはLGBTであることを当たり前のようにカミングアウトできる世の中になる必要がありますね。

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