アジア・パシフィック地域におけるHIV最新統計。

アジア・パシフィック地域では、HIV感染者の半分以上が、適切な治療を受けていないということが明らかになりました。

国連合同エイズ計画(UNAIDS) は、世界エイズ・デイに合わせ、HIV感染者の適切な治療と薬が不足していることの啓蒙のため、今回の報告書を発表。全ての人が治療を受ける権利があることを啓蒙します。

アジア・パシフィック地域は東アジア、東南アジアおよびオセアニア諸国を指し、この地域におけるHIVに関する統計は警鐘を鳴らすレベルにあると報告されています。

例えば、以下のような結果になっています。

・アジア・パシフィック地域では大体5百万人がHIV感染者がいる。

・約半数の2.4百万人が、適切なHIV治療を受けることができている。

・2016年の1年間で、17万人の人がエイズ関連の病気で亡くなっている。

・2016年は27万人の新規HIV感染が報告され、うち1万5千人は未成年である。

一方、2010年から2016年でHIV新規感染者は13%、エイズ関連の死亡者は30%減少しているという改善点も合わせて報告されています。

オーストラリアのAIDS啓蒙団体であるAFAO(*)の代表であるBridget Haire博士はこう説明します。

(*)Australian Federation of AIDS Organisations

「グローバル社会の中で、HIVに対して重要な対処をしてきた。しかし、蔓延はダイナミックに広がっている。もし何もしなければ、すぐに感染率は上昇し始めるだろう。」

「地域の中でHIVを終結させるには長い道のりである。オーストラリアや、地域の裕福な国は、HIVの予防および治療に対して、政治的および財政的なコミットメントが必要である。」

Haire博士は、HIV治療薬へのアクセスを改善することが重要だと強調します。HIV治療薬が手にはいれば、新規の感染を予防しながら、感染者の寿命を伸ばすことができるからです。そのため、アジア中でHIV治療薬、コンドーム、簡易HIVテストキットを行き渡らせることが必要であると考えます。

さらに、ハイリスク・グループ、例えば性産業従事者や、同性愛者、ドラッグ利用者に特に注力する必要性も述べます。このグループはHIVの感染確率が高い上に、ヘルスケアの現場では差別や偏見に合う確率が高いからです。

「ヘルスケアは普遍的な権利であり、性別や性的指向、民族や教育レベルで差別されるべきものではない。」

さていかがでしょうか。

アジア地域は近年飛躍的に発展しており、HIV対策にもサポートで充実してきている一方、まだまだHIV感染率が高い国も多いです。

WHO(世界保健機関)が発表している、『成人(15歳~49歳)のHIV感染率ランキング』によると、上位40カ国はほぼアフリカが占めていますが(最高はスワジランドの26.5%)、アジアでは「タイ」が1.1%で41位、カンボジアが0.8%で53位、ミャンマー0.6%で61位などとなっています。(日本は0.1%で117位)

世界・成人のエイズ感染率ランキング(CIA版)

タイの100人に1人を多いと考えるか少ないと考えるかは人それぞれでしょうが、旅をするときには用心するに越したことはありませんね、セーフセックスを心がけましょう。

参考: Gay Star News

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