また、HIVの根絶に向けて一歩前進か。
ニュージーランド政府関係組織のPHRMACが、HIVのPrEP(PreーExposure Prophylaxis、暴露前予防薬)を定額で購入できるようにするため、政府資金を拠出することを発表しました。
これが実現すれば、PrEPが1ヶ月1ドル程度にもなり、ニュージーランドでは、どの国よりもPrEPが安く手に入るようになります。
ニュージーランド・エイズ基金(New Zealand AIDS Foundation)が、1年間かけて、数千人の署名を入手するなどのロビー活動の結果、今回のPrEPの低額購入について一歩前進しました。
現在、この薬はHIV治療に利用されていますが、高額すぎて市販はされていません。
ニュージーランドは今年、女性のJacinda Ardernが首相となり、LGBTの権利を擁護することを宣言しています。おそらく、その流れの中でPrEPについて政府が資金援助をする最初の国になろうとしているのではと推測されます。
ニュージーランドは2016年に、1980年のエイズ危機以来最大のHIV感染率が記録され、その大半が男性間セックスによるもので、この層におけるHIV対策が急務となっておりました。
ニュージーランド・エイズ基金の代表であるJason Myersはこう説明します。
「PHARMAC基金はニュージーランドにおけるPrEPの潜在的なメリットを最大限に活用できる。」
「この薬を一般で利用できるようになることは、2025年までにニュージーランドにおいて新規のHIV感染をなくすという野心的な目標を達成するための大きな一歩となる。」
計画によれば、PrEPはまず、男性間でセックスをする人、トランスジェンダー、他のSTI(性感染症)に罹った者、HIV感染者と関係がある者などを対象とします。
もし、政府援助が実現した場合、PrEPは、医師の処方の下、ニュージーランド全国の薬局で購入可能となるとのことです。
このニュージーランドの取り組みがうまくいけば、(つまりPrEPに拠出する資金が、何もしないでHIV感染率が上昇することによる経済的損失を下回れば)、他国でも追随することが予想されます。
PrEPは、通常HIV治療薬の1つであるツルバダが使用されますが、日常的に服用するとなると副作用が少し心配です。以前行われた調査結果では、ツルバダの副作用を、一般的に利用される解熱剤であるアスピリン程度とする報告がなされていますが、常時服用するとなるとまた話は違いそう(アスピリンは毎日飲まないですしね。)
やはり、セーフセックスを心がけ、なるべく薬に頼らないのがいいのでしょうね。ただし、愛する人がHIVに感染してしまったケースなどやむを得ない場合には、この値段でPrEPが手に入るのは朗報となるのではないでしょうか。
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