インドネシアでトランスジェンダーの学校。そこに見える起業家精神。

インドネシアにあるトランスジェンダを受け入れるイスラム学校が再開したというニュース。この学校は昨年、トランスジェンダー嫌悪のイスラム原理主義団体の政府への働きかけにより、強制的に閉鎖されてしまいました。

この学校は、2014年にShinta Ratriが開設。55歳のトランスジェンダー活動家である彼女は、トランスジェンダーの人々が宗教的な学業を行うことができる安全な場所を提供することを使命として運営していました。

学校ではまた、職業訓練や健康診断、IDカードの取得サポートなども手助けしており、このような活動も相まって、学校の閉鎖前には、トランスジェンダー学生の社会的ハブとし機能していました。

Shintaさんは、「閉鎖は意味のないものだけど、9年の学校の歴史において、一時的な些細なこと。」と語っています。

彼女は、2016年7月に学校を再開しましたが、最近ではより多くのトランスジェンダーを助けるべく、積極的に声を上げています。

約42名が現在学通学しており、うち25名程度が毎週頻繁に利用しているとのこと。

このようなトランスジェンダーを受け入れる学校は、他に8つの地域で運営されていると見積もられ、Shintaさんはそれらの学校と提携し、インドネシア全土で同様のサービスを提供することを望んでいます。

Sintaさんは言います。

「私たちは生き残った。たとえ攻撃や差別があったとしても、私たちはそれに対して闘うのだ」

インドネシアは言わずと知れた、イスラム大国。イスラム教の聖典コーランにおいては、同性愛を「ハラム(禁忌事項)」と規定されており、トランスジェンダーを含むLGBTには厳しいお国柄。

ただし、成人間での同意に基づく私的、非商業的な同性愛関係については特に刑法上の規定はなく、最高刑が死刑と定められている中東イスラム諸国よりかは寛容です。

近年はLGBT団体なども表に出て活動しているそうで、LGBTを取り巻く環境はすこしづつ良くなっているのかもしれません。しかし、逆境の中で正しいことを行うShintaさんの精神こそ、真のアントレナーシップ(起業家精神)なのかもしれません。

Pink News

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