アメリカ食品医薬品局(FDA)は、HIV治療薬の1種であるツルバダ(Truvada)の曝露前予防薬(PrEP)としての使用について、18歳以下の未成年の場合でも処方できるよう認可しました。
従来、米国ではHIV感染リスク下にある成人のみ、ツルバダをHIV予防薬として処方することを認めていました。
しかし各種の調査の結果、15歳~17歳の青少年に対しても、その安全性を確認できたことから今回の決定に至ったとのことです。
ただし、HIV予防薬としての効果を維持するためには、ツルバダを毎日摂取しなければなりません。また、青少年の患者の場合は、月に一度クリニックに診察に行くことが必要になるとのこと。
大人の場合と同様副作用はほとんどないものの、軽い下痢、皮膚の乾燥、動悸や太りやすくなるなどの症状が出る場合があります。
また稀に、鬱や腹痛、食欲の低下や骨密度の低下などの症状もあるものの、これは非常にレアケースだそう。
FDAは上記の副作用も考慮した上で、青少年にもHIV予防薬としてのツルバダの使用を認めることが有益であると判断しました。
今回の措置は特にLBTの青少年に恩恵があるとのこと。現在アメリカのHIV感染者農地20%は13歳~24歳の若年層であり、そのほとんどは男性と性行為をする男性です。
医療心理学博士のシビル・ホセックは、HIV予防薬が、コンドームの使用など従来の感染予防策の代替にはならないとしながらも、ツルバダの認可を歓迎します。
「安全性に関する研究はHIV感染のリスクがある青少年にとって十分容認できる選択肢であることを示していた。」
「医療関係者や啓蒙団体は、従来のリスク回避策に加えて、HIV感染のリスクのある若者を支援するための新たな手段を備えた。」
さていかがでしょうか。
日本では、ツルバダのHIV予防薬としての使用はまだ認められていません。この予防薬については、毎日飲み続けなければならない点、85~90%の予防率と言われている点から、これを飲んでいるからコンドームなしの性行為を不特定多数の人と繰り返すのはまだまだ危険です。(たとえ90%防げても、10人に1人感染する人に該当してしまったら意味ないですよね。。)
また、ツルバダ1錠は3000円以上するという価格もネックです。
米国では10万人程度がPrEP使用者であり、アジアでは、台湾やタイなどLGBT先進国で承認されています。
完全な治療法、予防法の登場が期待されますね。
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