『進歩(Progress)』と銘打ったこの新しいレインボーフラッグは、米国オレゴン州のデザイナーであるダニエル・カサールによるもの。
今回のデザインは、従来のレインボーの左側にホワイト、ピンク、水色、茶色そして黒のストライプを入れたものとなっています。メインの部分は依然レインボーであり、「従来の意味から離れるものではない」と説明します。
この新しく左側に付け加わった部分、実はトレンスジェンダーを表すフラッグ。茶色と黒は、人種、AIDSと暮らす人、死者、トランスジェンダーを取り巻く苦労を表すとのこと。
矢印の形になっているのは、「さらなる前進」を意味します。
フィラデルフィアのLGBT担当オフィスを訪れた時に、レインボーカラーに白と黒のラインが入っているバージョンを見た際、ダニエルはインスピレーションを受けたとのことです。
「従来の6色のラインは新しいラインと区別されるべきだ。なぜなら、意味するものが違うし、現在のLGBTコミュニティの状況で強調すべき重要な点は変わってきているのだから。」
新しいフラッグのデザインを広め、ナイロン製の実物を作成し普及させるため、クラウドファウンディングのキックスターターで資金集めをしています。
目標額は$14,000、6月9日現在$6,700が集まっています。
さていかがでしょうか。
従来のレインボーフラッグは、1978年に初めて登場した、歴史のあるもの。米国サンフランシスコのデザイナーであるギルバート・ベーカーの発案によるものです。
1970年代は米国でLGBTが表に出始めてきており、その差別を解消するために社会運動が活発になり始めた時期です。世界初のカミングアウト政治家であるハーベィ・ミルクもこの時代に活躍しています。
もともとレインボーは60年代アメリカヒッピー文化の象徴として利用されていましたが、ベーカーはそれをLGBTの象徴に昇華、多様な色合いは多様性・ダイバーシティを表すものとなります。
当初は8色でしたが、染色コストの問題で青緑色とピンクが取り除かれ、現在の6色に落ち着きます。当時は、プリンターなどなかったのでいちいち染めなければならなかったのですね。
その後、認知され普及されるまで10年という長い時間がかかりました。今では、レインボーといったらLGBTと誰もが知っている共通のシンボルとなりました。
LGBTの象徴としてレインボーを採用したベーカーは慧眼ですね。見た目はポジティブだし、当時日陰の存在出会ったLGBTが辛気臭い色を使っていたら、ますます隅っこに追いやられていたことでしょう。
さて、新しいLGBTフラッグ、おしゃれではありますが受け入れられるのでしょうか。個人的には少しごちゃごちゃしすぎている気がしますが。。
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